ガルヴィ30周年特別企画「パートナーブランドと振り返るキャンプシーン」〜キャプテンスタッグ高波文雄社長インタビューその3〜
キャプテンスタッグの歴史
1967年、高波文雄さん、久雄さん兄弟が地元新潟で「パール金属」を設立。1975年にアメリカで見たバーベキューに衝撃を受け、バーベキューコンロ開発に取り組み翌年発売。これがキャプテンスタッグブランドのはじまり。当初はパール金属の一部門にすぎなかったが、2012年に株式会社として「キャプテンスタッグ」が独立した。
高波文雄社長
地元の金物商品を販売するために兄弟で起業。3層鋼キャンピングクッカーなど、職人の技術を生かした製品開発を推進している。
良いものを作り、店舗を通じて全国に発信したい
キャプテンスタッグは創業当初から“ないものは作る”を信条に、今も数多くの製品を生み出しており、高波社長はまるで発明家のよう。
そして高波社長の発想力だけに頼るのではなく、キャプテンスタッグ社員も自身の経験をヒントに製品を作りヒットを飛ばしているという。
「製品パッケージにQRコードを付けて、使い方やレシピを見られるようにしました。社員のアイデアでお客様からわかりやすいとの評価を得ています」
いち早く自宅でテントの中も外も確認できるパノラマVRに取り組んだことも記憶に新しい。
「動画の力はスゴイんですよ。
カマドスマートグリルB6型は、バイク好きの社員が小さなカマドがほしいと言って作った製品。
売れるとは思っていなかったのですが、動画サイトで紹介されて以降、売上がぐんと伸びました。
ここがダメっていうことも事細かにレビューしてくれて、それに共感した人が手にとってくれたんですね」
今もB6まわりで足りないものを形にしたB6関連製品は、作れば売れる状況だという。
アルミロールテーブルもしかり。
発売から20年近くたった今、SNSで“キャプテンスタッグのアレ”と呼ばれるようになり、指名買いされる愛され商品になっている。
「1995年にアウトドアライフショップ、WESTをはじめました。
アメリカのREIのような幅広い品ぞろえで体験もできるような店を作りたいと思い、キャプテンスタッグに限らず国内外のブランドを扱っています」
「三条店には公式コンペにも使われるボルダリングウォールを作っていて、国内大会の予選会場になっています。長岡店にもキッズクライミングウォールを設けて多くの子が気軽に挑戦していますよ。
あとね、長岡店と上越店にはキャプテンスタッグの食器を使って食事を提供するWEST CAFEを併設しました。これも社員のアイデア。
カフェを作ったところでどうなるんだ?と思っていたら、なんと製品の売上も伸びるんです。これは驚きでした」
SNS時代を先取りし、いち早く社員が積極的にSNSで発信する一方、リアル店舗「WEST」、サテライトショップ「キャプテンスタッグスタンド」で身近に世界観を体験できる場を設けている。
また、キャプテンスタッグには全国にアンバサダーがおり、イベントや活動拠点で製品を使って製品のおもしろさを広く伝えている。アウトドアガイドだけでなく、MTBライダー、ダンサー、オートバイレーサーなどオリンピアンを含むトップアスリートの名がズラリと並ぶ。中にはマスコット犬のトロくんも。
アンバサダーを擁するブランドはほかにもあるが、これだけ幅広い人選は珍しい。それだけ扱う製品が幅広く、キャンプシーン以外でも使いやすい設計となっているのだろう。
「いろいろなことに手を広げているように見えるかもしれませんが、キャプテンスタッグが一番大切にしていることはものづくり。良いものを作ることが第一です。
そのうえで今後はキャプテンスタッグの専門店を作り、全国の人に気軽に手にとってもらえるようにしたいと考えています」