絶対知っておくべき“焚き火の基本”とは?「着火におすすめの薪は…」
知っているようで、意外と知らない焚き火のこと。
一歩まちがえば大ごとになる「火」のことだからこそ、しっかりと基本とルール&マナーを把握しておこう。
Q.キャンプ場なら、どこでも焚き火ってできる?
焚き火ができるか否かは、キャンプ場によってさまざま。
ただし、多くのキャンプ場が「焚き火台を使用すればOK」。
なかには「場内の限られた場所のみで焚き火OK」など、制限を設けているキャンプ場も。
キャンプ場の多くが、焚き火台使用ならOK
器具使用で焚き火OKというキャンプ場も多いが、専用スペースのみでOKというところもある。
焚き火を楽しみたいなら、予約時にキャンプ場に確認しておこう。
また各サイトに専用のファイヤープレイスが設けられていたり、焚き火に特化したサイトがあるところも。
直焚き火できるキャンプ場は限られている
直焚き火とは地面の上で直接、焚き火をすること。
石で炉を作り、その中に薪をくみ上げて火を起こし、ワイルドな雰囲気を味わうことができる。
けれど、その直焚き火可能なキャンプ場はかなり少ない。
近年、焚き火の後始末をしないケースが増加しており、それを理由に直火禁止にしたキャンプ場もある。
利用するなら、ルールとマナーは厳守だ。
Q.どんな道具が必要なの?
焚き火を安心して楽しむために、最低限必要なのは上の7アイテム。
全体的に熱に強く、頑強なものを選ぶのがポイントだ。
1. 焚き火台
筒型にカマド型、ディスク型など形状はさまざま。
火床に空気が通る構造のものが多く、火が起こしやすい。
2. 火ばさみ(トング)
薪をくべたり、移動したり、焚き火の際に活躍。
火の中心部まで届くように、長いタイプのものを選ぼう。
3. ライター
組み上げた薪の中心部に着火するので、柄の長いタイプや、風に強いターボ式が重宝。
ひとつ持っておくと便利だ。
4. 焚き付け(松ぼっくり、着火剤など)
市販の着火剤のほか、ヤニを多く含んだ松ぼっくりは燃えやすく、着火剤代わりになる。スギの葉も火付きがいい。
5. 鉈やナイフ
太い薪を細くするのに便利な鉈。
ナイフは木を削ってフェザースティック(着火剤)を作るなど、いろいろ使える。
6. グローブ
焚き火の火力でやけどしないよう、グローブの用意は必須。
ささくれだった薪をつかむのにも安心だ。
7. 火吹き棒、うちわ
火吹き棒は火を熾すときに重宝。
火の中心部にそうっと風を吹き込み、火を育てるアイテム。うちわで代用も。
Q.薪選びのコツってあるの?
薪の種類は大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」の2種類がある。
針葉樹はスギやヒノキなどで、火つきがいいが燃え尽きるのも早い。
いっぽう、ミズナラやシラカバなどに代表される広葉樹は、長い時間燃えてくれるのが特徴。
ただし針葉樹のような火つきの素早さは望めない。
着火に針葉樹、その後は広葉樹と使い分けるのがオススメだ。
焚き火スペースはサイト内のどこに作るべき?
焚き火スペースの基本は、人が集まるリビングスペースやキッチンスペースから十分に離して設置すること。
ファミリーキャンプの場合は、子どもが走りまわることもあるので、とくに距離感に注意しよう。
隣のサイトに火の粉や煙が直撃しないよう、風向きにも配慮。
焚き火をする前にひと声かけておくと、気持ちがいいキャンプができるはず。
初心者でも火が育つ焚き火の仕方を教えて!
スムーズな着火方法&火の育て方を紹介。
最初に知ってほしいのが、太い薪には直接、火がつかないということ。
細い薪から火をつけて、徐々に太い薪へと移し、火を育てていくのだ。
もうひとつポイントとなるのが薪の組み方。
空気の通り道を確保できる、代表的な薪の組み方は下の❷を参照。さあ、焚き火に挑戦しよう。
❶ 太さの違う薪を用意
乾燥した小枝や、薪の樹皮部分を削いだものなど、細めの薪や枝を用意。
その次に火を移す薪は、鉈などで中〜細めに割っておく。太さ別に3種類を用意。
森に落ちている松ぼっくりやナラの樹皮などは、焚き付けにも使える。
❷ 薪を組む
❸ 着火し、火がまわったら風を送る
薪を組んだら、その中心に焚き付けをこんもりと置き、ライターやマッチで火つける。
火が上がったらまずは様子を見る。小さめの炎が安定したら、火吹き棒などで焚き火の中心に、そっと空気を送り込む。
❹ 炎が安定したら、太い薪をくべる
焚き付けから細い枝、中太の薪、太い薪へと火がまわって安定したら、太い薪をくべて、さらに炎を大きく安定させる。
これで焚き火の着火は完了! あとは随時、薪を投入すればOKだ。
❺ 焚き火の終わり方
薪は灰になるまで燃やし尽くすのが、ベストな終わり方。
あとは灰捨て場などで灰の処理をすればいい。
薪が燃え尽きないで残ってしまったら、管理棟で捨てられないか聞いてみよう。
TEXT/横山穂波
ILLUST/岡本倫幸
出典/ガルヴィ2019年12月号
【あわせて読みたい】
【徹底考察】意外と知らない!焚き火の着火剤として使える便利すぎるものとは?
焚き火の後片付けで“絶対NG”なこととは?「就寝するまでに…」
優秀すぎる…!現役キャンパーが選ぶ買っておいて良かったキャンプギア8選