実は誰でも簡単にできる!カヤック・フィッシングの実際に体験してみた
カヤックに乗りながら釣りをする、それがカヤック・フィッシング。
アウトドアの中でもハードルが高いジャンルかもしれないが、しかし、ハードルが高いほど気になってくるもの。
そこで横須賀市のカヤックショップ「LOHAS KAYAK」のオーナーにレクチャーしてもらいながら、本誌編集部員が実際に体験してみた。
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LOHAS KAYAK
東京湾に面した横須賀市走水に2016年にオープンしたカヤックショップ。
観音崎沖の釣れるポイントを知り尽くしたオーナー佐野愛降さんによるフィッシングガイドが好評だ。
シーカヤックやSUPのレンタルも行っていて、ビギナー・ファミリー向けのカヤック体験も随時開催している。
観音崎ビーチで準備&レクチャー
観音崎公園の駐車場に集合し、着替えなどを済ませたら目の前の砂浜へ。
ビーチにはLOHAS KAYAKのレンタル艇がズラリ。
空がだんだんと明るくなる中、準備を進める。ルアーのセッティングなどは全て陸で済ませておく。
カヤックはうねりなどがあると大きな船からは見えにくいので、目印にフラッグを付ける。
中には大漁旗タオルを掲げるメンバーも。
カヤックフィッシングの装備
●ライフジャケット
ライフジャケットは膨張式の物ではなく、浮力体が入ったカヤック専用タイプを着用しよう。
●ウエア
インナーは化繊の速乾素材のもの、アウターは登山用のレインウエアなど防水シェルがおすすめ。
●シューズ
エントリー時のケガなどを防止するため、足にフィットするウオーターシューズを履く。
カヤックへの積み込み
荷物はバンジーコードで固定。
夢中で漕いでいたらいつのまにか海に奉納していた……なんて惨事にならないように釣竿やネットはリーシュでカヤックにつなぐ。
カヤックフィッシングにはクーラーなど大きな荷物も積めるシットオンタイプのカヤックを使うことが多い。
カヤックを漕ぐには
またぐように乗り込む
乗り込む際にはカヤックを波打ち際まで運ぶ。
両手でカヤックをしっかり抑えて、両足でまたぐようにして乗り込むと安定する。
片足ずつ乗り込むとバランスが崩れてひっくり返ってしまうのでNGだ。
乗り込んだら波が押し寄せるタイミングを見計らってパドルで艇を前進させ海に出る。
岩があるような場所はカヤックのボトムをすらないように注意する。
しっかり水を捉える
次にパドルの使い方。観音崎沖は流れが速いため、しっかり漕がないと全然進まない。
ブレードをできるだけ前方で水面に入れ、艇のすぐそばをかくようにすると力強く進んでいく。
片方の手で引くと同時に反対の手で押すようにすると疲れにくい。
漕ぎながら海流の速さを見極め、流れが緩やかなルートを選ぶことも必要。
ネットは体の左側に準備
魚がかかった時にはパニックになりがち。
陸上でしっかりシミュレーションをしておくと、貴重なチャンスを棒に振らずにすむ。
特に片手でファイトしながら、片手でネットをピックアップする際にもたもたしてハリが外れてしまうことが多い。
スムーズにネットインできるように、右手で釣竿を持つ場合、左側の取りやすい場所にネットを用意しておく。
マダイ用ルアーで大物狙い
「鯛ラバ」は日本の伝統的なマダイ釣りの漁具をルーツにして進化を遂げたルアー。
鉛やタングステン製のオモリに、ヒラヒラしたネクタイ状のラバーやシリコン、数センチのハリスとハリが2本ついている。
操作は基本的には海底まで落として巻き上げるだけでOK。
海上ではパドルを釣竿に持ち替えるだけですぐに釣りができる手軽さも魅力だ。
海上での餌付けなどもないので船酔いのリスクも減らすことができる。
釣れるポイントをチェック
出艇する前に海図アプリなどを使って海底の地形を頭に入れておく。
「かけ上がり」など地形に変化のある場所、潮の流れが当たる場所がマダイの有力ポイントだ。
釣りをしている間にどんどん海流に流されて、いつの間にか狙っているポイントから外れていることがあるので、今どの位置にいるのかを常に把握しておく必要がある。
いざフィッシングへ
釣りをしながらも常に全方位に注意をめぐらすことが大事。
近くを大きな船が通ると、しばらくして引き波がやってくる。
引き波をカヤックの横っ腹に受けてしまうと“沈”する危険性が高まる。
特にスピードの速い船が近くを航行した場合は、短時間で大きな引き波が来るので注意。
釣りをしている時は引き波以外の波もなるべく縦方向に艇を向けるようにする。
パドルを釣り竿に持ち替えて、ルアーを海底まで沈める。水深は15mほどだ。
鯛ラバの操作は簡単で、海底まで落としたらすぐに、ゆっくりと一定速度で巻き上げるだけでいい。
ゴツゴツと小さなアタリがあった後、竿が水面に引き込まれ、糸がギューンと出ていく。
ファイトはマダイが走る時には走らせ、力が緩んだところで巻き上げる、の繰り返し。
水深が浅いので、水面まで上がってきても弱らず、最後まで力強く抵抗して楽しませてくれる。
キラキラと輝く水面の奥に、桜色のボディが見えて来ても、まだ安心はできない。
大きな魚体をネットにキャッチして、ようやくホッとするひととき。
釣った魚はバーベキューに
たっぷり漕いだ後はみんな腹ペコに。観音崎公園のバーベキュー可能なエリアで、釣った魚をさっそく頂く。
「あの時かかった魚はデカかった!……バレたけど」
釣りのあとは、そんな話で盛り上がる反省会が楽しい。
鯛ラバはマダイ以外にもヒラメ、ホウボウ、カサゴ、イナダなどの青物まで釣れる可能性があるのも嬉しいところ。
観音崎沖でのマダイ釣りは1年を通して楽しめるものの、3月から5月までは産卵のために浅場にあがってくる大型マダイを狙うチャンス。
日本一マダイを釣らせるガイドとの呼び声も高い、LOHAS KAYAKの佐野さんの元を訪れてみてはいかがだろうか。
PHOTO/佐藤整
TEXT/三浦晋哉
出典/ガルヴィ2018年5月号
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