アイディアが凄すぎる…!炙り料理で大活躍間違いなしのギアとは…?
フィールドで使う道具は己の分身。だから自ら作りだす。
それがネイチャークラフト作家・長野修平さんの道具作り。
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今回はコウゾという木の枝から、二股の串(ツインスキュア)を作る方法を教えてもらった。
長野修平さん
ネイチャークラフト作家、野外料理人などの顔を持つ。
北海道の山菜料理店生まれ。幼少から山菜採りで山を駆け、刃物を扱う。
著書『里山ライフのごちそう帖』(実業之日本社)他。
思い出のつまみ食い
幼いころは、実家が営む山菜料理屋の調理場でよく遊んでいた。
遊ぶと言っても走り回ったり、物を投げたりなんてことは絶対しない。
それでも厨房で遊ぶのは、次から次へと仕上がっていく付き出しや、作り置きの一品料理をつまみ食いできるから。
お店ではお客さんが使い終わった後の竹の割り箸をいつも洗って自家用にしていた。
板前さんがその竹箸を包丁でささっと削って串にしてくれたのだ。その串で食べた、つまみ食いの味は忘れられない。
あの時の記憶を知恵として受け継ぎ、今回はブッシュクラフトで活かした。
知恵の引き継ぎは、大人になった自分の使命。次は自分の子どもがそれを記憶のどこかへ留めてくれるように。
今回の素材 コウゾ枝
コウゾは最高級和紙の原料として知られる樹木。
枝は直線的ながらよく枝分かれし、幹も柔らかいのでクラフト材としては重宝する木の一つ。
初夏にはオレンジ色の木苺に似た実が鈴なりで旨い。
今回のマイツール
ナイフ
先尖りで短く厚く、カーブした刃のモーラナイフウッドカービング。
枝切りバサミ
ペリカン状のカーブした厚手の刃で1cm径の枝を簡単に切れるハサミ。
ツインスキュアの作り方
①枝を切り出す
直径1〜1.5㎝ほどの枝分かれしたコウゾの枝を切り出す。
枝分かれの片方は引っ掛け用(約4㎝)でもう片方は串用(50㎝)。
地面に刺す事もある元は15㎝ほど。
②皮を剥く
串になる枝の先から約30㎝の皮を剥く。ナイフで切れ込みを入れ引くようにして剥く。
季節や地域によっては剥きにくいかも。
③串先を半割りにする
串先断面の中心へナイフを当て、刃を軸にナイフを捻るようにして枝を半分に裂きながら8㎝ほど半割り。
力を入れ過ぎると割れすぎるので注意。枝を持つ手に手袋をすると安心。
④クサビを作る
ツインの串先を作るためのクサビを作る。
串先と同じ径の長めの枝の皮を剥き、先端をナイフで裏表から斜めに削り鋭角なクサビ型に。
削れたら2〜3㎝のところで切り離してクサビの完成。
⑤皮で巻く
串先のツインの割れをそれ以上割れ過ぎないよう皮を巻いて固定。
着物の襟合わせのように左右・左右と皮を重ねて4巻ほどしたら裏側で本結びして固定。
巻き位置は半割りの元辺り。
⑥クサビを押し込む
④で作っておいたクサビを皮で巻いた割れ部へ押し込む。ナイフの背を使ってトントンと叩くようしてしっかりと。
⑦串先を仕上げる
地面に刺す串元は杭型に、引っ掛けの先は面取り、最後に串先を尖らせる。
⑧皮とクサビで調整
ツインの串幅を変えるには皮を元側へずらしてクサビを前後に移動し、再度皮をクサビ位置へ押し込む要領。
最後にクサビを叩き込めば固定できる。
⑨ 完成!
TEXT/長野修平
PHOTO/中里慎一郎
出典/ガルヴィ2018年5月号
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