画期的すぎる…!普段使ってる“ガストーチ”の新たな使い方とは?
「フィールドで使う道具は己の分身。だから自ら作りだす」がモットーの、ネイチャークラフト作家・長野修平さん。
今回は、ガストーチの炎と砂で文字を描く、ウェルカムボードの作り方を教えてもらった。
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長野修平さん
ネイチャークラフト作家、野外料理人などの顔を持つ。
北海道の山菜料理店生まれ。スウェーデンのモーラナイフ日本・台湾アンバサダー。
著書『里山ライフのごちそう帳』(小社刊)他。
今回の素材 桐板
タンスの材料としてよく知られる桐は、白木の色ときめ細かな木目から琴や琵琶などの楽器から箱物、まな板などにも用いられる。
湿度や温度変化にも強く今回のような野外で使う素材にも最適。
今回のツール
砂と炎の絵文字は砂曼荼羅の祈りにも通ずる
チベット仏教の僧侶が描く砂曼荼羅を見たのは、まだ東京都心に暮らしていた頃のこと。
色砂を使って丸い曼荼羅模様を4日間にわたって描いていく実演があると聞いて足を運んだ。
会場に入ると黄色い布を纏った僧侶が出迎えた。四角いテーブルでは2人の僧侶が砂曼荼羅を描いている。
岩を砕いた極彩色の砂の入った器。それを金属の細い漏斗で掬い、指でトントンと振動させながら糸状の線で絵を描き出していく。
決して気を許したりくしゃみをしたりできない。相当な集中力と持続力が必要だ。
聞くと、「絵は完成も大切だが、その作業時間が最も重要で祈りにも通ずる」と、言っていた。
さらに完成後はすぐに壊し海や大地に蒔いてしまうと。それは物作りをする自分にとって特別な言葉として響いた。
焼桐板のウェルカムボードの作り方
①桐の板を切る
今回使用するのはホームセンターで購入した桐の集成材。
ペンでカッティングボード風のガイドラインを引き、引き回しという細身のノコギリでカットしていく。
②桐板のエッジを削る
引き回しノコギリで切ったエッジや元々の板のエッジをナイフで面取りする。
カーブする場所はウッドカービングナイフの細い刃先を回すように運ぶとうまく仕上がる。
③持ち手の部分に穴を開ける
カッティングボード風に仕上げる持ち手へ、ぶら下げるためにも便利な穴を開ける。
大きめの穴は細いドリルビットで円を描くようにして貫通させる。
④ボードを仕上げる
ナイフでの面取りや穴あけが終了したら全体をサンドペーパーで磨いて仕上げる。
⑤砂をろ過する
絵文字を綺麗に仕上げるには細かい砂がいい。細目のふるい網で砂をろ過する。
あとは紙で作ったロートの先端をカットして小さな穴を開けて砂を入れ、セッティング完了。
⑥砂でボードの文字を書く
板へ鉛筆で下書きをし、その線に合わせて文字や絵を描いていく。
細い糸状に砂が出るよう慎重に行うのが上手に描くコツ。仕上げは絵筆で掃き寄せる感じで。
⑦ガストーチで全面を炙る
まずは絵文字を描いた部分のエッジをしっかりと焼く。次に全体をまんべんなく焼き上げていく。
ガストーチの炎は強すぎると勢いで砂が飛んでしまうので注意。コツは弱めの炎でじっくり。
⑧タワシでこすり仕上げる
砂文字面完成後、板の断面もしっかりと焼き上げておく。仕上げは焼いた面をタワシでこする。
木目の繊維方向へこすると綺麗な仕上がりになっていく。
⑨ 完成!
TEXT/長野修平
PHOTO/中里慎一郎
出典/ガルヴィ2018年6・7月号
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