知らなかった!こんなのあり?ある料理専用食器とは?
「フィールドで使う道具は己の分身。だから自ら作りだす」がモットーの、ネイチャークラフト作家・長野修平さん。
今回は、ベイクドポテト専用のトレイとフォークの作り方を教えてもらった。
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長野修平さん
ネイチャークラフト作家、野外料理人などの顔を持つ。
北海道の山菜料理店生まれ。スウェーデンのモーラナイフ日本・台湾アンバサダー。
著書『里山ライフのごちそう帳』(小社刊)他。
今回の素材 丸太
直径が8〜10cmほどの丸太が今回の素材。
比較的真っ直ぐで、枝が出ていたり、出た痕跡がないモノの方が作りやすい。
写真は左からヒノキ、クリ、ケヤキで生木の方が作りやすい。今回はクリの生木を使用する。
今回のツール
小さな木の器を削って、大きな夢の世界へ導かれることもある
北海道のショップで、そのトレイに出会った。
ベイクドポテト・トレイという商品名にメイド・イン・スウェーデンの表記。
普段、木を素材にモノづくりしている自分にとってはなんてことない木工品。
僕ら北海道人は茹でた男爵芋にバターをのせたものを日常的に食べるが、北欧の国スウェーデンも似たような感じなのだと、夢の国への親近感を覚えた。
そんな個人的な想いからトレイを作った。小さな木工品との出会い。
それがアウトドアも盛んな北方民族の国スウェーデンへとつながる。
「北欧へ行きたい」と思っていた矢先。向こうでワークショップをしてほしいという話が舞い込んで来た。
これぞお導きだ。よし、行くぞスウェーデンへ。
ベイクドポテトトレイの作り方
①テープを巻いて丸太をカット
13cm程の好みの大きさに丸太を切断する。
真っ直ぐ切断するためには養生テープなどを巻いてガイドラインにするといい
②樹芯の脇からプレート分を取る
樹芯脇から2cm幅の部分へラインを引き、アックスを当て木づちで叩いて割る。
ただし枝が出た跡のある位置は割れにくいので避けよう
③トレイ側を上にしてがたつきを修正
トレイ面の芯側を上にし、平らな場所に置き、写真のように押さえてがたつきを確認。
突き出た底部分をナイフで削ってピタリと安定させる
④アウトラインから彫る
トレイ面へ記したラインから内へ彫る。木目に対して縦に彫ると削りやすい。
彫り終えたらカービングナイフと紙やすりで全体を仕上げる。
⑤フォーク用の材も樹皮をいかす
トレイのプレートを取った樹皮側の端材の中心から、1cm程の幅と厚みで棒状にフォーク材を割り取る。
薄いのでカービングナイフと木づちを使用。
⑥フォークの先側を薄く削る
二またに仕上げるフォークの先。まずは先側の樹皮を削ぎ取り、5mm厚くらいになるようナイフで薄く削る。
⑦小穴からフォークのまたを削る
先から2〜3cmの中心へ、ナイフ先を当ててえぐり、小穴を開ける。
そこからV字の溝を彫る要領で両側から削り、二またのスリットを仕上げる
⑧先端〜ハンドルの順に仕上げる
先端はスリットに合わせ、先細に削りあげる。フォークのウエストとも言える中心は細めに。
樹皮を残すグリックを好みの形に削りできあがり
⑨完成!
ベイクドポテトトレイの使い方
完成したトレイとフォークはオリーブオイルなどを塗り込むと丈夫でカビにくくなる。
ボイルやオーブンした丸ごとポテトをくぼみへ載せ、バターなどのトッピングでいただく。
また、ナッツ皿やソース皿などアレンジ次第で多彩に使える。
TEXT/長野修平
PHOTO/中里慎一郎
出典/ガルヴィ2019年4月号
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